神戸・ユダヤ文化研究会 2026 年度第2回目の文化講座 今ここにある未来――現代イスラエル/パレスチナ文学における近未来SF小説の系譜

神戸・ユダヤ文化研究会 2026 年度第2回目の文化講座 今ここにある未来――現代イスラエル/パレスチナ文学における近未来SF小説の系譜

神戸・ユダヤ文化研究会 2026 年度第2回目の文化講座
今ここにある未来――現代イスラエル/パレスチナ文学における近未来SF小説の系譜

 

神戸・ユダヤ文化研究会では、2026年度第2回目の文化講座を、対面とオンラインの併用で下記のとおり開催します。
今回の文化講座は、「今ここにある未来――現代イスラエル/パレスチナ文学における近未来SF小説の系譜」と題して、現代イスラエル/パレスチナ文学に詳しい細田和江さん(東京外国語大学)をオンラインでお迎えし、本会理事の赤尾光春(国立民族学博物館)とともに、近年のイスラエル/パレスチナ文学が描いてきた「近未来」を読み解きます。
拡大再生産される占領と搾取、繰り返される殺戮と戦争、深まる社会の分断と暴力――その果てに、現実そのものがディストピアの様相を帯びつつある今日のイスラエル/パレスチナ。そこで作家たちは、こうした過酷な現実の延長線上に、どのような未来を想像してきたのでしょうか。
そして、まだ訪れていないはずの未来を描くことによって、現在の社会にどのような警告を発し、そこからどのような教訓や展望を引き出そうとしてきたのでしょうか。
二つの講演を通して、文学が描いてきた未来から現在を照らし返し、イスラエル/パレスチナの「今ここにある未来」について考えます。

 
■ 日時:2026年9月21日(月・祝)

■ 会場:京都大学総合人間学部 1102教室

■プログラム

14:00~14:10 開会の言葉・趣旨説明

14:10~15:10 講演①

「ディストピアとしてのイスラエル――イシャイ・サリド『第三神殿』と神権国家への道」(赤尾光春)
現代イスラエルのヘブライ文学では、近年、ディストピアと化した「ユダヤ国家」を描いた近未来SF小説が繰り返し書かれている。本講演では、そうしたディストピア小説の一つであるイシャイ・サリドの『第三神殿』(Hashlishi,2015)を取り上げ、エルサレム神殿の再建というユダヤ教のメシア的希求の核心的モチーフが、現代イスラエル社会を映し出すディストピアとしてどのように扱われ、いかなる問題を提起しているのかを考察する。

15:10~15:30 質疑応答

15:30~15:40 休憩

15:40~16:40 講演②

「パレスチナ人作家が描く想像の「未来」――サイイド・カシューアの『朝が来た』を中心に」(細田和江さん)※オンライン
イスラエルの作家サイイド・カシューア『朝が来た』は彼の2作目の長編である。イスラエル市民のアラブ人でムスリムの作家がヘブライ語で創作をする、という点において、彼の作品はアイデンティティの揺らぎという点から捉える研究が多い。しかし本講演では、彼の小説の「ファンタジー」の側面に注目する。また。カシューアの作品と、アラビア語で書かれた近未来小説のアンソロジー(「ナクバ」から100年後の世界を描いた短編集)とを比較することで、パレスチナ人の小説における「未来」について検討する。

16:40~17:00 質疑応答

17:00~17:30 全体討論

 
■ 参加費・オンライン参加方法
対面での参加費は、正会員=無料、一般参加者=500円、学生=無料(受付で学生証をご呈示下さい)。オンラインでの参加費は無料です。オンライン参加のURLなど、ご参加の詳細に関しては、神戸・ユダヤ文化研究会事務局(jjskoffice@yahoo.co.jp)までお問い合わせください。

■ 場所  京都大学吉田南キャンパス
京都大学総合人間学部 1102教室〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町075-753-6572(細見研究室)https://www.h.kyoto-u.ac.jp/access1/

■ 会場からのお願い
・発熱時・咳・喉の痛み等体調不良時にはご来館をお控えください。
・入館時には、手指の消毒や施設内での手洗いをお願いします。
・施設内での対人距離については、適度な間隔の確保を図るようにお願いします。
・引き続き、「咳エチケット」にはご配慮ください。

 

■ 講演者プロフィール

赤尾光春(あかお・みつはる)
国立民族学博物館特任助教。専門はユダヤ/ウクライナ/ロシア文化研究。総合研究大学院大学博士後期課程修了(学術博士)。共編著に、『ユダヤ人と自治──中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(岩波書店)、『シオニズムの解剖──現代ユダヤ世界におけるディアスポラとイスラエルの相克』(人文書院)など。共訳書に、ダニエル・ボヤ―リン『無国家解決――一ユダヤ人のマニフェスト』(2026年、作品社)、ドヴィド・ベルゲルソン+デル・ニステル『二匹のけだもの/なけなしの財産他五篇』(幻戯書房)など。

細田和江(ほそだ・かずえ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー。専門はイスラエル・パレスチナの文学と文化。編著に『mare nostrum地中海詞華集』(非売品、2024年)、翻訳に、サイイド・カシューア「ヘルツル真夜中に消える」(秋草俊一郎他編『世界文学アンソロジー』、2019年、三省堂所収)、論文に「イスラエルの文芸誌『ケシェット』と「地中海」・「中東」への眼差し」(岩波書店『思想』2023年3月号)など。