神戸・ユダヤ文化研究会では、2025年度第1回目の文化講座を、対面とオンラインの併用で下記のとおり開催します。
今回は関西大学名誉教授の植村邦彦さんをお招きして、19世紀後半におけるユダヤ人像の変容を、とくにリヒャルト・ワーグナーと反ユダヤ主義に即してお話しいただきます。
多くの参加を呼びかけます。
■ 日時 2025年6月21日(土)
13:45 開場
14:00-15:30 植村さん講演 1869年の「ワーグナー論争」を読む――「ユダヤ人種」言説の成立をめぐって
15:30-15:45 休憩
15:45-16:45 質疑応答・ディスカッション 60分
■ 参加方法
対面での参加費は、正会員=無料、一般参加者=500円、学生=無料(受付で学生証をご呈示下さい)。オンラインでの参加費は無料です。ご参加の詳細に関しては、神戸・ユダヤ文化研究会事務局( jjskoffice@yahoo.co.jp )までお問い合わせください。
■ 場所 (京都大学吉田南キャンパス)
〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町
京都大学総合人間学部 1102教室
075-753-6572(細見研究室)
https://www.h.kyoto-u.ac.jp/access1/
会場からのお願い
・発熱時・咳・喉の痛み等体調不良時にはご来館をお控えください。
・入館時には、手指の消毒や施設内での手洗いをお願いします。
・施設内での対人距離については、適度な間隔の確保を図るようにお願いします。
・引き続き、「咳エチケット」にはご配慮ください。
■ 講演
植村邦彦さん:1869年の「ワーグナー論争」を読む――「ユダヤ人種」言説の成立をめぐって
19世紀ドイツのユダヤ人の地位と処遇をめぐっては、1842~46年の「ユダヤ人問題論争=ブルーノ・バウアー論争」と、1879~81年の「ベルリン反ユダヤ主義論争=トライチュケ論争」がよく知られている。前者は「キリスト教国家」プロイセンにおける「ユダヤ教徒解放」の是非をめぐるものであり、後者は「解放」実現後のドイツ帝国における「ユダヤ人種排除」言説に応答するものである。しかし、この間に「ユダヤ人」像が変容していく過程については、日本ではあまり論じられていない。本報告では、1869年の「リヒャルト・ワーグナー論争」を中心に「ユダヤ人種」言説の成立過程を紹介することにしたい。
■ 講師略歴
植村邦彦(うえむら くにひこ)
1952年愛知県新城市生まれ。1975年名古屋大学経済学部卒業。1981年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位修得退学。1981年熊本大学文学部専任講師(文化史担当)。1984年熊本大学文学部助教授(文化史担当)。1994年関西大学経済学部教授(社会思想史担当)。2022年関西大学退職、関西大学名誉教授
■ 今回の講演に関わる植村さんの著作
1)『同化と解放――19世紀「ユダヤ人問題」論争』平凡社、1993年
2)「「解放」表象の反転――人種主義的反ユダヤ主義の成立1848-1862」、関西大学『経済論集』第49巻第3号、1999年12月
3)『マルクスを読む』第6章「ユダヤ人問題」、青土社、2001年
4)「反セム主義の地下水脈――ワーグナー論争をめぐって」、川越修・植村邦彦・野村真理編『思想史と社会史の弁証法――良知力追悼論集』御茶の水書房、2007年