神戸・ユダヤ文化研究会 2025年度第2回目の文化講座のご案内

戦後ドイツと知識人

神戸・ユダヤ文化研究会では、2025年度第2回目の文化講座を、対面とオンラインの併用で下記のとおり開催します。第1回の文化講座からだいぶ時間がたってしまいましたこと、深くお詫びいたします。
今回は九州大学の橋本紘樹さん、東京大学の竹峰義和さん、京都大学の小林哲也さん、それに本会の代表細見和之がくわわって、橋本さんの新著『戦後ドイツと知識人――アドルノ、ハーバーマス、エンツェンスベルガー』をめぐるシンポジウムを開催いたします。
なお、今回の文化講座は橋本さんの科研費との共同開催といたします。
多くの参加を呼びかけます。

■ 日時 2025年12月20日(土)
13:45              開場
14:00-14:30 橋本さん講演 「私の新著について」
14:30-15:45 シンポジウム「橋本さんの新著をめぐって」
司会:小林哲也さん 評者:竹峰義和さん、細見和之本会代表
15:45-16:45 質疑応答・ディスカッション

■ 参加方法
今回は橋本さんの科研費との共同開催ですので、参加費は一律無料とします。オンライン参加のURLなど、ご参加の詳細に関しては、神戸・ユダヤ文化研究会事務局( jjskoffice@yahoo.co.jp )までお問い合わせください。

■ 場所 (京都大学吉田南キャンパス)
〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町
京都大学総合人間学部 1102教室
075-753-6572(細見研究室)
https://www.h.kyoto-u.ac.jp/access1/

会場からのお願い
・発熱時・咳・喉の痛み等体調不良時にはご来館をお控えください。
・入館時には、手指の消毒や施設内での手洗いをお願いします。
・施設内での対人距離については、適度な間隔の確保を図るようにお願いします。
・引き続き、「咳エチケット」にはご配慮ください。

■ 橋本紘樹さんに新著について紹介いただきました
本書は、第二次世界大戦終了後から六八年運動に至る戦後ドイツを舞台に、「知識人」という観点から、アドルノ、ハーバーマス、エンツェンスベルガーの「理論と実践」を分析したものである。アウシュヴィッツへと至るナチズムの蛮行を経て、「普遍性」といった一義的な価値観の持つ暴力性に十分に警戒しながら、三人の知識人は「自己省察」と「討議」に立脚することで、公的な場で社会批判を展開した。ここに見られる(政治的)実践のあり方は、1970年代以降の後期近代を生きる私たちにとっても重要な示唆を与えてくれるだろう。(橋本紘樹)

■ 略歴
橋本紘樹(はしもと・ひろき)
1992年生まれ。九州大学大学院言語文化研究院助教。専門は現代ドイツ文学・思想。著作に、『戦後ドイツと知識人――アドルノ、ハーバーマス、エンツェンスベルガー』人文書院 2025年。翻訳に、アンドレアス・レクヴィッツ『独自性の社会――近代の構造転換』岩波書店 2025年(共訳)など。

小林哲也(こばやし・てつや)
1981年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門はドイツ文学・思想史。著作に、『ベンヤミンにおける「純化」の思考』水声社2015年、論文に、「「猶予」としての正義——ショーレムとベンヤミンの正義論」『思想』(2022年3月)など。

竹峰義和(たけみね・よしかず)
1974年生まれ。東京大学大学院・総合文化研究科教授。専門はドイツ思想・映像文化論。著作に、『アドルノ、複製技術へのまなざし』青弓社2007年、『〈救済〉のメーディウム』東京大学出版会2016年。翻訳に、アドルノ『模範像なしに』みすず書房2017年など。

細見和之(ほそみ・かずゆき)
1962年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門はドイツ思想。著作に『フランクフルト学派』中公新書2014年、『「戦後」の思想』白水社2009年など。翻訳に、アドルノ『哲学のアクチュアリティ』みすず書房2011年など。本会代表。