神戸・ユダヤ文化研究会 第2回文化講座のご案内

岩崎稔「レイシズムと「反ユダヤ主義」の相克?――ドイツのある芸術祭をめぐる混乱から」

神戸・ユダヤ文化研究会 第2回文化講座のご案内

 

神戸・ユダヤ文化研究会では、今年度第2回目の文化講座を、対面とオンラインの併用で開催いたします。
こんかいの文化講座には岩崎稔さんにご登壇いただきます。ランズマン監督の映画『SHOAH』が日本で公開されたのは26年前。こののち加藤典洋さんvs.高橋哲哉さん・鵜飼哲さんなどで、「歴史主体論争」が繰り広げされました。このときの論争には実は岩崎さんも関わっています。
本会の黒田がまず導入を行なったのち、岩崎さんには、当時から現在までを見通す視座で語ってもらい、映画『SHOAH』上映に実質的に関わった、本会の細見が、岩崎さんのお話を受けて若干のコメントをします。

 

■ 日時 2023年9月30日(土)

13:30 開場

14:00-17:00 文化講座
14:00-14:15 黒田晴之 導入(司会も)
14:15-15:15 岩崎稔さん講演「レイシズムと「反ユダヤ主義」の相克?――ドイツのある芸術祭をめぐる混乱から」
15:15-15:30 細見和之 コメント
15:30-15:45 休憩
15:45-17:00 質疑応答・ディスカッション

 

■ 参加方法
対面での参加費は、正会員=無料、一般参加者=500円、学生=無料(受付で学生証をご呈示下さい)。オンラインでの参加費は無料です。ご参加の詳細に関しては、神戸・ユダヤ文化研究会事務局( jjskoffice@yahoo.co.jp )までお問い合わせください。

 

■ 場所 こうべまちづくり会館 3階多目的室

〒650-0022 神戸市中央区元町通4-2-14
078-361-4523
https://kobe-machi-kaikan.city.kobe.lg.jp/

会場からのお願い
・発熱時・咳・喉の痛み等体調不良時にはご来館をお控えください。
・入館時には、手指の消毒や施設内での手洗いをお願いします。
・施設内での対人距離については、適度な間隔の確保を図るようにお願いします。
・引き続き、「咳エチケット」にはご配慮ください。

 

■ 講演

岩崎稔「レイシズムと「反ユダヤ主義」の相克?――ドイツのある芸術祭をめぐる混乱から」

報告者は歴史認識論争の行方につねに問題意識を持ち、また『ショア―』の日本における上映などに関わったこともあります。その延長で、歴史叙述理論をめぐって『メタヒストリー』という浩瀚なテキストの翻訳も引き受けてきました。その立場から見て、このところ歴史と記憶の語り方をめぐる論争に、新段階を画するものが出はじめているように感じます。「犠牲者競争」を問うものもそのひとつです。ドイツにおける「ボイコット、投資撤収、制裁」運動(BDS)をめぐる政治的混乱がその実例です。しかし、こうした形で争点化した事件の背後にある本来の問いとは実際にはどのようなものであったのでしょうか。また、民主主義の危機とレイシズムの問題をめぐって何が問われていたのかについても議論を試みます。

 

■ 講師略歴

黒田 晴之(松山大学教授、本会会員)
1961年生まれ。専門は20世紀ドイツ文学(カネッティ、ハンス・ヘニー・ヤーンなど)とユダヤ文化。著書は『クレズマーの文化史』(人文書院、2011年)、共訳にハヌシェク『カネッティ 伝記』(ぎょうせい、2013年)、ヤーン『岸辺なき流れ』(国書刊行会、2014年)など。

岩崎 稔(大和大学政経学部教授)
1956年名古屋生れ。早大大学院修了。東京外国語大学名誉教授。現在は大和大学政経学部教授。

細見 和之(京都大学教授)
1962年兵庫県丹波篠山市生まれ、同市在住。1991年大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。人間科学博士(大阪大学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。ドイツ思想専攻。神戸・ユダヤ文化研究会代表。主な著書に『フランクフルト学派』(中公新書、2014年)など。クロード・ランズマン監督の映画『ショアー』の日本語字幕の制作に監修者のひとりとして関わった。