神戸・ユダヤ文化研究会2021年度第2回文化講座 オンライン開催のお知らせ

神戸・ユダヤ文化研究会2021年度第2回文化講座 オンライン開催のお知らせ

神戸・ユダヤ文化研究会2021年度第2回文化講座 オンライン開催のお知らせ

 

コロナに加えて長雨の続いた地域もありますが、いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウィルスの感染状況はまだ収束に向かいそうにありませんので、本年度の第2回目となる文化講座もオンラインにて開催いたします。
今回の文化講座ではまず、新進気鋭の田中壮泰さんから、ベルゲルソンという主として戦前に活動した作家を通して、ウクライナ人とユダヤ人との関係について、お話ししていただきます。次に本会会員の大橋毅彦さんから、長年のご研究の集大成となる画家D・L・ブロッホについて、ご講演していただきます。これらはいずれもユダヤ史からすると辺境を扱っているように見えますが、ユダヤのディアスポラが世界史の大きな流れにいかに大きく左右されていたのかを理解するのに役立ちます。
オンラインという形式ではありますが、それ故にこそご参加いただける方もいらっしゃいますし、良い交流の機会ともなるでしょう。皆様のお越しをお待ちしています。

 

■日時:
文化講座2021年9月26日(日)

 

【文化講座】
13:00~14:50 講演①+質疑応答
15:00~16:50 講演②+質疑応答
17:00~18:30 懇親会

 

■参加方法:
※今回もインターネット上のみでの開催です。
※※ご参加の詳細に関しては、神戸・ユダヤ文化研究会事務局( jjskoffice@yahoo.co.jp )までお問い合わせください。

 

■参加費
無料(※今回も暫定的に無料としますが、ご寄付等あれば歓迎いたします)

 

■文化講座

① 講演:「イディッシュ語で書かれたウクライナ文学:ドヴィド・ベルゲルソンとポグロム以後の経験」

講師:田中壮泰(立命館大学授業担当講師)
要旨:1926年5月パリで起きたセマン・ペトリューラの暗殺事件は、ポグロム以後のウクライナ人とユダヤ人の関係を広く考える最初の契機ともなったが、この事件の前後に発表された、ドヴィド・ベルゲルソンのイディッシュ語による二つの短編小説「殺人鬼ふたり」(1926)と「逃亡者」(1927)が描いていたのも、ポグロムによって互いに引き裂かれた両者の関係である。この二つの短編をイディッシュ語で書かれたウクライナ文学として読み直し、ポグロム以後のユダヤとウクライナの問題を考え直してみたい。
講師略歴:専門は20世紀ポーランド語・イディッシュ語文学。論文に「二言語詩人フォーゲル」(『スラヴ学論集』2014年)、「塹壕の外の東部戦線:ゴンブロ―ヴィチ、ヴィトリン、ロート」(『異貌の同時代 : 人類・学・の外へ』以文社、2017)など。

 

② 講演:「D・L・ブロッホゆかりの地で見たもの、考えたこと」

講師:大橋毅彦(関西学院大学教授)
要旨:ドイツ出身のユダヤ人美術家D・L・ブロッホ(1910~2002)と彼の家族の生の足取りを追って、上海、硤石、ミュンヘン、フロス、ニュルンベルクに赴いた。現場に立ち、当事者と接することによって〈外部〉の世界との通路がどれだけ開かれたか、語ってみたい。
講師略歴:1955年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現・関西学院大学教授。主な著書・共編著として『昭和文学の上海体験』(勉誠出版 2017)、『D・L・ブロッホをめぐる旅―亡命ユダヤ人美術家と戦争の時代』(春陽堂 2021)、『上海租界与蘭心大戯院』(上海人民出版社 2015)がある。本会会員。