梅雨の気配の近づく昨今、いかがお過ごしでしょうか。
神戸・ユダヤ文化研究会2018年度最初の文化講座のテーマは、第二次大戦期に戦禍と迫害を避け、極東にまで流れ着いた東欧ユダヤ人です。いわゆる「杉原ビザ」を得て日本(と日本占領下の中国)に落ちのびてきた東欧ユダヤ人の経験を、具体的な資料と共に追体験する、またとない機会になるかと思います。
神戸にもゆかりのあるテーマです。ぜひともお誘いあわせのうえ、お越しください。
●日時:2018年6月24日(日) 13:30 ~ 17:00(開場13:00)
●場所:
こうべまちづくり会館 3F 多目的室 (元町商店街内・高速神戸「花隈」下車徒歩2分)
Tel: 078-361-4523 URL:http://www.kobe-machisen.jp/
●参加費:一般参加者・維持会員=500円、
正会員・学生=無料(※ 学生の方は受付で学生証をご呈示下さい)
●講演題目:
「戦時期日本とユダヤ難民--敦賀・神戸・上海」
●講演要旨
1940~41年、ナチスの迫害を逃れて、推定五千人ほどのユダヤ難民が日本に到来した(ドイツ・オーストリア系二千数百、ポーランド・リトアニア系二千数百)。うち千人強は、1941年秋、日本占領下の上海に移動して、太平洋戦争期の五年間を過ごすこととなる。本講では、ポーランドのウッチを発ち、リトアニアで「杉原ヴィザ」を手にし、シベリア経由で敦賀に上陸後、神戸、上海での避難生活を経て、戦後、オーストラリアに移住した、あるユダヤ系一族の軌跡を、収集中の写真資料、映像素材を多用しながら紹介する。
●講師略歴
・菅野賢治(かんの・けんじ)1962年、岩手県生まれ。パリ第10(ナンテール)大学博士課程修了。東京理科大学理工学部・教授。著書に『ドレフュス事件のなかの科学』(青土社、2002年)、『フランス・ユダヤの歴史』(慶應義塾大学出版会、2016年)。訳書にレオン・ポリアコフ『反ユダヤ主義の歴史』(全五巻、筑摩書房、2005-2007年)、ヤコヴ・ラブキン『トーラーの名において--シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史』(平凡社、2010年)ほか。
・大澤未来(おおさわ・みらい)1981年、東京都生まれ。映像作家。大学で写真を学んだのち、映画美学校ドキュメンタリーコースを修了。人類学や民俗学をベースにドキュメンタリー映画、テレビ番組、記録映像、インスタレーション映像の企画、演出、撮影等に携わる。近作に「未来へわたす–東日本大震災から5年–」(「地方の時代」映像祭優秀賞)、「廻り神楽」(キネマ旬報文化映画ベストテン10位)など。