神戸・ユダヤ文化研究会 第1回文化講座のご案内
暖かさも落ち着きをまし、桜の散り始めた昨今、いかがお過ごしでしょうか。神戸・ユダヤ文化研究会では、2017年度最初の文化講座を、以下の要領にて開催いたします。
娯楽産業の世界的中心、ハリウッドとユダヤ人の関係はしばしば耳にするところでもありますが、映画にあらわれてくるものと、それを支える歴史的背景との間にある葛藤は、さほどつまびらかにされてきませんでした。ユダヤ資本に支えられる産業が、「ユダヤ的なもの」を表現してこなかったのはなぜなのでしょうか。黎明期のハリウッド映画を題材に、今回は四方田犬彦さんにお話しいただきます。
皆様のお越しをお待ちしております。
●日時:2017年5月14日(日) 14:00 〜 17:00
●場所:
こうべまちづくり会館 2F ホール
(元町商店街内・高速神戸「花隈」下車徒歩2分)
Tel: 078-361-4523
URL:http://www.kobe-machisen.jp/
●参加費:一般参加者・維持会員=500円、
正会員・学生=無料(※ 学生の方は受付で学生証をご呈示下さい)
●講演題目:
「ハリウッドとユダヤ人」
●講師:
四方田犬彦(よもた・いぬひこ)さん
●講演要旨:
20世紀の初め、ハリウッドの映画会社の多くがユダヤ人によって創業されたことは、映画史的によく知られたことである。にもかかわらず、彼らは映画の中でユダヤ人問題に言及することを忌避し、白人を中心とする価値観を全世界に広めてきた。今回はアル・ジョルソンとマルクス兄弟を例としてとりあげ、ユダヤ的なるものの表象拒否、ショービジネスにおけるユダヤ人と黒人の親近性、相互模倣性などを論じる。
●講師略歴:
1953年、箕面生れ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を専攻した。明治学院大学教授として長らく映画史を講じたのち、現在は文筆業に専念。東京大学、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、清華大学などで客員教授・客員研究員を務めた。ユダヤ関係の著作としては『見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行』(作品社、2005)、『パレスチナ・ナウ』(作品社、2006)、『マルクスの三つの顔』(亜紀書房、2012)、『こんにちは、ユダヤ人です』(ロジャー・パルバースとの対話、河出書房新社、2015)がある。論文に「シオニズムの映画的表象」(赤尾光春、早尾貴紀編『シオニズムの解剖』、人文書院、2011)がある。